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レカロ株式会社
プロジェクト・マネジメントグループ
プロジェクトマネージャー 佐野 淳氏 |
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開発者インタビュー
シートを開発するのに重要なこととは安全性と快適性
1月の東京オートサロンでお披露目された、レカロのニューモデルは、見かけの違いはともかく、中身がまったく別物でスゴイらしい。こんな話を各所で聞いて、「ブランド探求」とタイトルを定めたGP編集部としてはほおっておけるはずもない。なにしろ、レカロといえばクルマのパーツのなかでも、「一度使えば虜」のファンがもっとも多いと思われる定番品だ。
その話の真偽を語ってくれるのは、レカロの日本での商品作りを統括する佐野さん。
話を聞く前にひとつ断っておかなければならない。レカロといえばドイツ製のイメージを持つ読者諸氏。ここで語られるニューモデル、SR-11はメイド・イン・ジャパンで、輸入品ではない。
何年も前からレカロでは各地域で使用される国の内情に合わせた仕様の製品を展開している。そのあたりの事情も交えつつ佐野さんの話を聞こう。
「まず、新しい商品を造るときの基本のひとつとして、どうゆうものを目標にするかを掲げますが、結局、コンペティターとなったのは自社製品のSR-IIIでした。84年の設計なのですが、今だ機能、性能とも世界No.1なのです。これを超えるシートを造るために何をしたかというと、まず、ドイツのレカロから開発本部長を呼び寄せました」。
「シート作りの座り心地に関するフィロソフィーは、ドイツに集約されています。歴史の成せる技とでもいいますか、長い経験の積み重ねが必要です。分かりやすく言えば、シートの安全性は日本独自でいくらでも計算できるのですが、いわゆる『座り心地』はドイツに一日の長があるのです」。
今年、100周年を迎えたレカロ。その歴史の重さは推して知るべきものがある。
「よく言うのですが我々が作っているのはシートでチェアではない。シートは人を守るもので、チェアは腰掛けるものと。シートでもっとも重要なのが安全性と快適性。さまざまな技術はこのふたつの要件に集約されるでしょうね。最近はますます安全性の要求が厳しくなっています。我々はカーメーカーのOEMも行っていますが、その基準はそうとうに高い。いずれSR-IIIではその要求に応えられなくなるでしょう」。
そこで開発されたニューモデル。SR-11のフレームにはIS05というネーミングが付けられているが、何が違うのか。
「シートの成績表は重量だ、とよく言っています。はっきり言ってゴツくすればいくらでも安全なシートは作れるのですが、カーメーカーもユーザーも重いシートはNGですよね。結局、このSR-11はSR-IIIと同等の重量になりましたが、全体の複雑な形状に対して、これまでは難しかったレーザー溶接を施し、薄い鉄板の強度を上げ、構造的にも背面衝突80km/hでシートバックがバタンと倒れなかったり(注・通常50km/hでテスト)、正面衝突でも乗員が前に滑る状態をフレーム自身が変形することにより15.7cm(カーメーカーの目標値は50km/hで30cm)に抑えました。重量を抑え高剛性を保つには設計はもちろん薄肉板金構造が必要だったのです」。
さらに快適性については?
「シートにおける快適性は突き詰めれば『疲れないこと』につきます。はじめにも言ったとおり、このノウハウはドイツのパートですが、泥臭い作業とでも言いますか、たとえばシート生地の線1本でも感覚が変わったり、人間の朝と夜の感覚が異なるのをどこで合わせるかなど、積み重ねの連続。多くのテスターの意見を集約して出来上がります。最終的には『レカロの座り心地だね』とユーザーに言ってもらえるものになりますが、それでも『だけど、ここのところがちょっと……』と言われたりします。でもそれでいいんですよ。シートでもオーダーメード感覚だからこそ出てくる要望なのですから。もちろんその意見も製品作りのためのデータとして参考にするわけです」。
佐野さんによれば「今後10年は使える技術的な中身」を持つSR-11。技術のみならずレカロが掲げるシート哲学を集約したモデルと言える。最後に佐野さんからのメッセージを。
「我々の製品を判断してもらうには、座ってもらうしかない。とにかく試しに一度でも座ってもらうだけで、ちょっと違うと感じてもらえると思います。シートなんて座ってナンボですからね(笑)」。 |
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| レカロのシート哲学を突き詰めれば「安全で疲れないこと」が最良の製品 |
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いかに人間工学的に正しく座るか。レカロのシート哲学を具現化する設計と機能の結果としてデザインが生じる、という考えの基、その造形が生まれる。 |
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| 日本の法定基準である20Gをはるかに超える48G以上を設定して衝突実験を繰り返す。安全設計の要はなんと言ってもレカロならではのモノコック構造だ。 |
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レカロにとってはあまりに当たり前になっていて話には出てこなかったが、人間工学的にいかに疲れないかを科学し、整形医学的にも考えられた構造がレカロファンを多く生む要因なのだ。 |
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| 新シートフレーム・IS05 |
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レーザー溶接構造 スマートバックパネル スモールパッケージデザイン
ハット型サイドフレーム構造 スマートサブマリンパネル |
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| 製造品質安定のためレーザー溶接技術を採用し薄肉軽量化と強度確保。後突に対して乗員を適正に受け持つ構造のスマートバックパネルや正突時に乗員が前滑りする距離を縮めるスマートサブマリンパネルなど実用新案申請中。薄肉軽量化は後席乗員の居住スペースを圧迫しないスモールパッケージデザインにもつながっている。 |
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右記はすべて現行製品だ。さらにスタンダードなSR-IIIには派生モデルが数多くある。また3月発売のTS-G、TS-W、RS-G、RS-Wや同じくニューモデルのES-Vなど一部含んでいないモデルもあるが、いかに多くのモデルをラインアップしているかが分かるだろう。レカロの提唱する、体にあったシートを選ぶ、という言葉もうなずける。そして、どの製品を選んでも、いわゆる独特の「レカロの座り心地」を得られるはずだ。
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滋賀県にあるレカロ社ではアフターマーケット用製品とともにカーメーカーへのOEMモデル製造も行っている。 |
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