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極めるほどに奥の深い洗車のテクニック
洗車マニュアルの特集や専門書があふれるほど
その世界は複雑でこれといった決まりがあるようでない
……と難しく考えるほどのこともないでしょ
近ごろの市販される洗車用ケミカルははっきり言って
プロが使うものより優れていたりするし
素人が陥りやすい洗車テクの勘違いを
未然に防止してくれるものであったりする
ただ水洗いするだけでも気分爽快
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| プロと素人の最大の違いは下地処理 |
「プロの洗車術とは?」と興味津々で話を聞こうと思い、編集部が懇意にしていただいているポリマーコーティング施行の老舗、ラス・ブリサスの社長、鹿村さんにお願いしてみた。
はじめに断っておくが、鹿村さんはあまり乗り気ではない。
「洗車っていうだけでいろいろな本が出ているでしょ。テクニックや洗車の方法も人によって考え方が違うから、これだと確かなことは言いづらいんですよ。話が難しくなれば、ボクも勉強して答えなければならない。それは本ができるくらいの長い話になるかも」
こんな、考え方が逆に信頼できると編集部では思っているのだが……。とにかく、押しつけのテクニックや洗車方法ではなく、鹿村さんが「お客さんからたずねられたら、こう答えている」という問答スタイルで話を聞かせてもらうことにした。
編集部・ポリマーをかける、その前処理でどんな作業をするのですか?
「コーティングって作業は、最後の1%ですよ。とにかく、磨いて下地をしっかり作る。それは新車に限りなく近い状態。ある知り合いのプロは『新車でもあんなの最高じゃない』というけれど、そうなるとどこにベクトルをおいて話したらいいかということになるから、一般的には新車で納品されたクルマの状態ですね。下地を出して、それからワックスなりコーティングを施す。これがコートを長持ちさせる秘訣です」
編・下地作りってどんなことをするのですか?
「コンパウンドで磨いちゃう……というか正確にはキズが付いていたり、えぐれている部分はできる範囲まで塗装を削るしかない。細かいキズなら、何ミクロンか落ちる細かいコンパウンドで落ちますし、もっと深いキズなら荒いコンパウンドでやらなければいけないけれど、やればやっただけ、細かいコンパウンドで段階を逆に戻していかなければならない。これやらないとごまかしになってしまう」
編・素人にもできる作業ですか?
「できないでしょう……でも、水あか落としとかはそれの初歩だと思うんです。要は塗装面をきれいにしているんですから。普通の人の洗車は、処理後にワックスとかをかけて、2週間とか保つんだけど、プロがやる下地作りは、より多くの時間と行程を費やすので1カ月とか2カ月保つようになる。コーティングの効果がどれだけ持続するかは、どれだけ下地作りに手間暇かけたかなのです。これ絶対。最近は洗車の材料とかもよくなってきていますが、ある程度、キズを落としてからワックスがけ。これ、ボクらが考える基本です」
編・話が前後してしまいましたが、その下地作りの前に洗車を行うんですよね? 社長はもし自分のクルマならどんなふうにやるんですか?
「なにをするにしても、まず圧の強めの水で汚れとか砂を落とすつもりで流して、雑巾でもセーム皮でも、ビショビショにして拭くんですよ。水分が付いているのと付いていないのでは、付いているほうがキズが付きづらいですから。で、ホイールとかは、また違うウエスで汚れてもいいようなものを使う。とにかく水をふんだんに使うのですが、環境によって使えない人もいるからね。それは工夫して」
編・社長はどんなウエスを使っているのですか?
「ボクはアメリカで買ってきた製品です。水泳の選手が体を拭くのに使ってるようですね。これは、こするんじゃなくて、水の上に置くだけで水分が取れちゃうから。とにかく、軟らかいタオルで洗って、拭き取るときは水分をたくさん吸収するものを探せばいいんじゃないかな。なにを使えとは言えないなぁ」
編・それってつまり、こするのを極力避けたいわけ?
「そう。仕事で一番ドキッとするのは、コーティングしたクルマにお客さんが『お〜ッ、きれいだねぇ』って手で擦ろうとするときだから(笑)。アッ、すみません!って言っちゃうから、ボクは。そのお客さんのクルマでも、擦らないで、って言っちゃいますよ」
編・擦る場面ってほかにもいろいろありますよね。シャンプーとかネンドとか……社長は使います?
「お客さんにも聞かれます。水がイチバン。とにかく水で落とす。でも、水で落ちなければ、シャンプーとかを混ぜなければ。それでダメならクリーナーみたいなもの。その上がネンドですよ。ちょっとネンドは傾向が違うけど。鉄粉やペンキみたいな塗装が付いてしまった時にそれをとる物です」
編・社長はネンドを使いますか?
「使いますよ。洗車した後、下地処理をする前の一番最初に。今、鉄粉がのっていないクルマなんてほとんどないでしょ。鉄粉が付いてる状態で処理するのと、鉄粉を取って処理するのでは保ちが全然違いますから。本当は、洗車だけで汚れが落ちるんであれば、ネンド処理のようなことはやりたくないですけれど、水洗いで落ちない時やボクが使ってるワックスで納得できない時があれば、年に何回かはネンドを使わなければならないことがあるかもしれない、ということです」
編・最初のコンパウンドの話と同じですね。プロと普通の人のキズに対する感覚のレベルが違う。
「ネンドに限らず、ボディに引っかかれば、汚れは落ちるけれど、引っかかるとキズも付くんで、ある程度滑らしたほうがキズが付かない。いつもネンドみたいなものを使ってるとキズだらけになちゃうでしょ。ただ、キズが付いても、このざらざら感、消したいんだよねっていうニーズには、その限りではないけれど……。キズに細心の注意を払いつつ、ワックスでも洗車でもマメにやることがイチバン。たとえば、ちょっと雨の後に走ったあとにほおっておけば、コーティングしてもけっして水あかは付かないとは言えない。そんな汚れが付いたまま、暑かったりすると、水滴がレンズ効果で沸騰してウォータースポット等をつけるんですよね。もし、顕微鏡で見たらすごいことになってると思いますよ、凹んでて。洗車する時間がどうしてもつくれなければ、ボディの上3面の水滴だけでも拭き取っておくといいですね。ただし、キズが付かないようにね」
編・結局、マメに手間暇かけることが重要だということですよね。
「やればやるほど長持ちしますよ。とくにワックスがけは。ワックスとかでも、値段の高い固形ワックス、ありますよね。素晴らしいのがありますよ。でもやっぱり固形ワックスは固形ワックスなりの使い方で時間と体力を使って、はじめて100%活かせるであって、ボクみたいな横着者は液体ワックスがいいかなぁと思ちゃうし(笑)。ワックスだけの話ではなくて、すべてにその人に合う用品があって洗車の方法があると思います。これだけいろいろな製品が販売されているのですから、自分の洗車ライフに合うものを見つけてください。ポイントはその人のクルマのコンディションに合わせること。新車状態とか、濃色のクルマ、白とかメタリック、旧車、なるべく自分のクルマのボディコンディションに合ったケミカルを見つけてみてほしいですね」 |
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